「あっ、スカーだ。 今日は一人?」
「うん、珍しく。 そう言ってたら来そうだけど。」
「呼んだ? ねえスカー呼んだ?」
「呼んでない。」
「スカー即答したね。」
「ていうかなんでそこのクソ娘と一緒にいるのさ!」
「クソ娘って何よ! 女の子に対して言うセリフじゃない!」
「事実しか言ってないよ俺!? ねえスカーそうでしょ!?」
「……ごめん聞いてなかった。」
「ひどいよ! 俺の話聞いて!」
「聞かなくていいよスカー! 毒されちゃだめ!」
「両方から違うこと言われても困るなあ……」
「だーかーらー、俺の話だけ聞いてってば!」
「耳元で叫ばないでよ、ケイブ。」
「俺の話聞かないスカーが悪いの!」
「話聞いてもらえないのは自分に原因があるんでしょ!」
「君が邪魔するからだ! スカーが俺の話聞く邪魔するから!」
「嘘ばっかり!」
「俺の邪魔…… 間違えた、スカーの邪魔しないで!」
「思いっきり本音出てるじゃない! スカー聞いた!?」
「……あ、うん、ちょっと静かにしてもらえると助かるんだけれど。」
「だって! ほら早く黙る!」
「絶対に私だけのことじゃないじゃない! 自分のことも考えなさいよ!」
「ごめん二人とも、人の話聞いてた?」
「スカーに迷惑かけるのやめなさいよ、この馬鹿ケイブ!」
「そのままそっくり返してあげるよ! スカーは俺のです!」
「主張しないでよ! スカーが可哀想!」
「あの、だからさ、話聞いてほしいんだけれど。」
「君と話してても埒が明かない! スカーに決めてもらお!」
「あなたが話を聞かないだけじゃない!」
「ちょっと聞いてってば、ねえスカーってば!」
「私よりもこの人の方がうるさいでしょ!? スカーなら分かるよね!?」
ちょっと聞いてよ、スカー
(どっちもうるさいって言っているつもりなんだけどなあ)